これ以上傷つかないために「最初から期待しない」という方法があるけれど、それってなんだか相手にも期待されたくないという自分の不誠実と怠惰を暴露しているみたいだ。でもたくさん裏切られて「最初から信じない」ことを覚えていく。諦めを知って癖になる…

かゆい、と思ったところを掻いてみると、違う、ここじゃない、と感じる。この空振りは何なのだろうと首を傾げつつ、未だ残るかゆみのありかを探して肌をまさぐる。確かに肘のあたりにそれを覚えたのに、意外なことにその手の薬指に辿り着いた時の微かな驚き…

童話、人魚姫の二次創作小説です。作品のイメージを壊したくない方は戻るをタッチお願いします。---------------------------------------その昔。とある海の深く奥、七色に輝く魚や揺らめく昆布、踊ったまま飲まれていくプランクトンやふわふわと海底を歩く…

ある女の子が、母親とレストランに入った。食事をしている内に店内は混雑して来た。そこへウェイターがやって来て、ここは４人席だから、２名のお客様と相席をお願いしたいとの申し出を受けた。当然の様に快諾する母子。その２人と席を同じくしたのは老年の…

目をつぶると丸い輪っかが見えるじゃない。私のは緑色してる。前に1日中それを見ていた事があって気付いたんだけど、輪っかじゃなくて井戸なんだ。私が井戸の底に居て、そっから空を見上げてる。なんでそれがわかったかって言うと、井戸の上から誰か覗いたん…

最近、頭痛が日常の一部と化している。もともと頭痛持ちではあるが、ここのところの痛みは恐らく身体のサイクルと猛暑の所為だと思われる。数年前までは梅雨だろうが台風だろうが何ということも無く、頭痛と言ったら偏頭痛以外にあり得なかったのに、やはり…

人間、バランスの取れた生き方をするには、馬鹿になれなければ駄目なのかもしれない。ふとそんなことを思った。ここで言う馬鹿とは、私が嫌いな類の馬鹿ではない。情報の取捨選択が出来ない馬鹿、他人の価値観を否定しか出来ない馬鹿、自己批判が出来ない馬…

私が本当に欲しいものって何だろう。ここ数ヶ月、ずっとそんな事を考えている。即物的な話、お金があればほとんどの物は手に入る。実際、買い物は嫌いではない。服でも本でも、手仕事も映画も旅行も、お金が無ければ好きなようにはならない。でも、必要な物…

反対意見で論議していて「あなたの言うことも分かります」という対応をする場合、大抵は言葉通りに受け取らない方が良い。「分かるけどね、でもね……」というエンドレスというかループの始まりの鐘が鳴ったと捉えた方が懸命ではないか。たとえば、死刑制度に…

ここのところちょっと私にしては慌しくて疲れていたらしい。半年に二〜三のペースで定期的に襲ってくる謎のげんなりが出た。上手く説明が出来ないが、人々が悪口や愚痴を言っているところに長時間いると時たま起こる側頭部のいらいら違和感。それを患うと、…

言葉にならない感情とかもうどうにもならないようなことが積もり積もって、それから時間をかけ濾過されて残るものがあるとして。それがきれいなものではなく、この世界に居場所のない不安定さとか疎外感のようなものだと理解し始めてから、ようやく逃げずに…